2009年度 第1回医薬品等臨床研究審査委員会 会議記録の概要
1. 開催日時2009年4月15日(水) 午後6時~午後7時
2. 開催場所京都大学医学部附属病院 外来棟5階 会議室B
3. 出席者川上浩司(委員長 医学研究科教授)、千葉 勉(消化器内科教授)、
三森経世(免疫・膠原病内科教授)、乾 賢一(薬剤部教授)、
任 和子(看護部長)、佐藤俊哉(医学研究科教授)、吉野孝行(医務課長)、
吉田和男(経済学研究科教授)、橋本長平(弁護士)
4. 議 題
1)2008年度第11回医薬品等臨床研究審査委員会議事録について
2)2009年度医薬品等臨床研究について
3)2009年度医薬品等製造販売後調査について
4)2009年度医薬品等臨床研究等の変更について
5)その他
   配付資料:
(1)2008年度第11回医薬品等臨床研究審査委員会議事録(案) (事前配付)
(2)2009年度医薬品等臨床研究申込一覧表(第1回) (事前配付)
(3)2009年度医薬品等製造販売後調査申込一覧表(第1回) (事前配付)
(4)2009年度医薬品等臨床研究等変更等一覧表(第1回) (事前配付)
(5)治験審査資料・説明文書(事前配付)
(6)治験の終了に関する報告
(7)治験の中止に関する報告
(8)安全性情報報告一覧 (事前配付)
(9)治験実施計画修正報告書(事前配付)
(10)2009年度医薬品等臨床研究審査委員会委員名簿
(11)京都大学医学部附属病院における治験標準業務手順書(第8版)
(12)自ら治験を実施する者による治験の標準業務手順書(第3版)(案)
(13)医師主導治験の標準業務手順書変更対比表(案)
(14)「会議記録の概要」作成のフロー(案)
5. 議 事
1)川上委員長より、医薬品等臨床研究審査委員会の委員の交代について紹介があった。
2)川上委員長より、2008年度第11回医薬品等臨床研究審査委員会議事録(案)について説明があり、原案通り承認された。
3)委員11名のうち9名出席で、かつ医学歯学又は薬学以外の領域に属している委員3名(本院と利害関係を有さず、かつ治験審査委員会の設置者と利害関係を有していない委員2名を含む)の出席により、本委員会は成立した。
4)川上委員長より、2008年度第11回医薬品等臨床研究審査委員会において「修正の上承認」の指示のあった「審査番号1047 課題名 大塚製薬株式会社の依頼によるリウマチ患者を対象としたCDP870の第Ⅲ相試験」「審査番号1051 課題名 味の素株式会社の依頼によるクローン病患者を対象としたAJM300の第Ⅱ/Ⅲ相試験」について修正内容の確認があった。
5)2008年度第11回医薬品等臨床研究審査委員会において、投与量設定の根拠を明確にするよう指示があった「審査番号1049 課題名 株式会社ヤクルト本社の依頼によるL-OHPの第Ⅱ相試験」について、治験責任医師より説明があった。
6)審議 -新規申込(医薬品等臨床研究・医薬品治験)について
(1)審査番号1056     診療科 免疫・膠原病内科
課題名エーザイ株式会社の依頼による関節リウマチ患者を対象としたアダリムマブ(D2E7)の第Ⅲ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
提出された資料に基づき、治験実施の妥当性を審議した。
本治験のデザインが複雑なため、被験者が十分に理解できるよう、よく説明をして治験を実施してほしいとの発言があった。
説明文書中の図について、被験者に誤解を招く可能性があるため修正をするように指示があった。
上記(1)について、治験実施の妥当性を審議した。
この結果、(1)の審査判定:修正の上で承認する
7)審議 -新規申込(医薬品等製造販売後調査)について (省略)
8)審議 -変更(医薬品等臨床研究等)について
(1)審査番号845     診療科 内視鏡部
課題名エーザイ株式会社の依頼によるクローン病患者を対象としたD2E7(アダリムマブ)の第Ⅱ/Ⅲ相試験
変更点等治験実施計画書
(千葉委員は審議及び採決に不参加)
(2)審査番号882     診療科 腎臓内科
課題名大塚製薬株式会社の依頼による多発性嚢胞腎患者を対象としたトルバプタンの第Ⅲ相試験
変更点等説明文書、治験分担医師
(3)審査番号897     診療科 血液・腫瘍内科
課題名ノバルティスファーマ株式会社の依頼によるICL670の第Ⅱ相試験
変更点等治験実施計画書
(4)審査番号942     診療科 肝胆膵・移植外科
課題名CSLベーリング株式会社の依頼による肝切除患者を対象としたTCSJ-1の第Ⅲ相試験
変更点等治験実施計画書、説明文書
追加の調査に関する治験実施計画書補遺の作成、それに伴う追加説明文書の作成等について審議した。
(5)審査番号947     診療科 皮膚科
課題名ヤンセンファーマ株式会社の依頼による乾癬患者を対象としたCNTO1275の第Ⅱ/Ⅲ相試験
変更点等治験実施計画書
(6)審査番号957     診療科 泌尿器科
課題名アストラゼネカ株式会社の依頼による前立腺癌患者を対象としたZD4054の第Ⅲ相試験
変更点等旅行計画
(7)審査番号995     診療科 乳腺外科
課題名中外製薬株式会社の依頼による乳癌患者を対象としたベバシズマブの第Ⅲ相試験
変更点等治験薬概要書
(8)審査番号996     診療科 産科婦人科
課題名大鵬薬品工業株式会社の依頼によるS-1の子宮頸癌に対する第Ⅲ相比較試験
変更点等治験薬概要書
(9)審査番号1023     診療科 免疫・膠原病内科
課題名中外製薬株式会社の依頼によるオクレリズマブの第Ⅱ相試験
変更点等治験実施計画書
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(10)審査番号1024     診療科 呼吸器内科
課題名杏林製薬株式会社の依頼によるホルモテロールの第Ⅱ相試験
変更点等治験薬概要書
(11)審査番号1025     診療科 呼吸器内科
課題名杏林製薬株式会社の依頼によるフルチカゾンの第Ⅱ相試験
変更点等治験薬概要書
上記(1)~(11)について、引き続き治験等を実施することの妥当性を審議した。
この結果、(1)~(11)の審査判定:承認する
9)審議 -変更(医薬品等製造販売後調査)について (省略)
10)報告 -治験の終了・中止に関する報告について
(1)審査番号566     診療科 小児科
課題名ファイザー株式会社の依頼による骨端線閉鎖を伴わない子宮内発育遅延(SGA)性低身長症患児に対するPNU-180307の第III相試験
終了
(2)審査番号785     診療科 デイ・ケア診療部
課題名ソルベイ製薬株式会社の依頼による強迫性障害患児を対象としたSME3110(マレイン酸フルボキサミン)の製造販売後臨床試験
中止
(3)審査番号829     診療科 腎臓内科
課題名協和発酵キリン株式会社の依頼による保存期慢性腎不全患者を対象としたKRN321-SCの第Ⅲ相試験
終了
11)審議 ―安全性情報等に関する報告について
治験事務局より、海外及び国内の治験・製造販売後調査における有害事象および措置・研究報告の安全性情報(964件)について、安全性情報報告一覧にもとづき説明があった。
(1)審査番号742     診療科 循環器内科
課題名アボット・バスキュラー・ジャパン株式会社の依頼による冠動脈狭窄病変に対するGJVI04-LMステントシステムの長期経過観察
(2)審査番号765     診療科 皮膚科
課題名エーザイ株式会社の依頼による乾癬患者を対象としたD2E7(adalimumab)の第Ⅱ/Ⅲ相試験
(3)審査番号766     診療科 眼科
課題名株式会社三和化学研究所の依頼によるSK-0503の第Ⅰ/Ⅱ相試験
(4)審査番号767     診療科 眼科
課題名株式会社三和化学研究所の依頼によるSK-0503の第Ⅰ/Ⅱ相試験
(5)審査番号790     診療科 肝胆膵・移植外科
課題名バイエル薬品株式会社の依頼による肝癌患者を対象としたBAY43-9006の第Ⅲ相試験
(6)審査番号797     診療科 神経内科
課題名ユーシービージャパン株式会社の依頼によるてんかん患者を対象としたL059(レベチラセタム)の第Ⅲ相試験
(7)審査番号802     診療科 免疫・膠原病内科
課題名株式会社ベネシスの依頼による強皮症患者を対象としたGB-0998の第Ⅲ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(8)審査番号803     診療科 免疫・膠原病内科
課題名株式会社ベネシスの依頼による強皮症患者を対象としたGB-0998の第Ⅲ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(9)審査番号804     診療科 免疫・膠原病内科
課題名株式会社ベネシスの依頼による強皮症患者を対象としたGB-0998の第Ⅲ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(10)審査番号816     診療科 ●●●
課題名大日本住友製薬株式会社の依頼による深在性真菌症患者を対象としたSM-26000の製造販売後臨床試験
(11)審査番号828     診療科 精神科神経科
課題名ユーシービージャパン株式会社の依頼によるてんかん患者を対象としたL059(レベチラセタム)の第Ⅲ相試験
(12)審査番号845     診療科 内視鏡部
課題名エーザイ株式会社の依頼によるクローン病患者を対象としたD2E7(アダリムマブ)の第Ⅱ/Ⅲ相試験
(千葉委員は審議及び採決に不参加)
(13)審査番号876     診療科 乳腺外科
課題名ノバルティスファーマ株式会社の依頼による乳癌患者を対象としたレトロゾールの製造販売後臨床試験
(14)審査番号882     診療科 腎臓内科
課題名大塚製薬株式会社の依頼による多発性嚢胞腎患者を対象としたトルバプタンの第Ⅲ相試験
(15)審査番号884     診療科 消化器内科
課題名シェリング・プラウ株式会社の依頼による肝硬変患者を対象としたSCH54031の第Ⅲ相試験
(千葉委員は審議及び採決に不参加)
(16)審査番号897     診療科 血液・腫瘍内科
課題名ノバルティスファーマ株式会社の依頼によるICL670の第Ⅱ相試験
(17)審査番号898     診療科 乳腺外科
課題名中外製薬株式会社の依頼によるRO4876646の第Ⅱ相試験
(18)審査番号899     診療科 循環器内科
課題名第一三共株式会社の依頼による第Ⅰ相試験
(19)審査番号918     診療科 泌尿器科
課題名アステラス製薬株式会社の依頼によるASP3550の第Ⅱ相試験
(20)審査番号922     診療科 乳腺外科
課題名グラクソ・スミスクライン株式会社の依頼による乳癌患者を対象としたラパニチブの第Ⅲ相試験
(21)審査番号926     診療科 免疫・膠原病内科
課題名全薬工業株式会社の依頼によるIDEC-C2B8の第Ⅱ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(22)審査番号933     診療科 糖尿病・栄養内科
課題名日本イーライリリー株式会社の依頼による糖尿病患者を対象としたLY2148568の第Ⅲ相試験
(23)審査番号943     診療科 乳腺外科
課題名ファイザー株式会社の依頼によるSU011248(スニチニブ)の第Ⅱ相試験
(24)審査番号947     診療科 皮膚科
課題名ヤンセンファーマ株式会社の依頼による乾癬患者を対象としたCNTO1275の第Ⅱ/Ⅲ相試験
(25)審査番号957     診療科 泌尿器科
課題名アストラゼネカ株式会社の依頼による前立腺癌患者を対象としたZD4054の第Ⅲ相試験
(26)審査番号977     診療科 眼科
課題名バイエル薬品株式会社の依頼による加齢黄斑変性症患者に対するVEGF Trap-Eyeの第Ⅲ相臨床試験
(27)審査番号978     診療科 免疫・膠原病内科
課題名田辺三菱製薬株式会社の依頼による関節リウマチ患者を対象としたCNTO148(Golimumab)単剤の第Ⅱ/Ⅲ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(28)審査番号979     診療科 免疫・膠原病内科
課題名田辺三菱製薬株式会社の依頼による関節リウマチ患者を対象としたCNTO148(Golimumab)の第Ⅱ/Ⅲ相試験(MTX併用)
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(29)審査番号995     診療科 乳腺外科
課題名中外製薬株式会社の依頼による乳癌患者を対象としたベバシズマブの第Ⅲ相試験
(30)審査番号997     診療科 整形外科
課題名第一三共株式会社の依頼による骨粗鬆症患者を対象としたAMG162(denosumab)の第Ⅲ相試験
(31)審査番号1014     診療科 肝胆膵・移植外科
課題名バイエル薬品株式会社の依頼による肝癌患者を対象としたソラフェニブの第Ⅲ相試験
(32)審査番号1023     診療科 免疫・膠原病内科
課題名中外製薬株式会社の依頼によるオクレリズマブの第Ⅱ相試験
(三森委員は審議及び採決に不参加)
(33)審査番号1024     診療科 呼吸器内科
課題名杏林製薬株式会社の依頼によるホルモテロールの第Ⅱ相試験
(34)審査番号1025     診療科 呼吸器内科
課題名杏林製薬株式会社の依頼によるフルチカゾンの第Ⅱ相試験
(35)審査番号1026     診療科 循環器内科
課題名サノフィ・アベンティス株式会社の依頼による狭心症/心筋梗塞患者を対象としたSR25990Cの第Ⅲ相試験
(36)審査番号1033     診療科 小児科
課題名日本ケミカルリサーチ株式会社の依頼による低身長患者を対象としたJR-401の第Ⅲ相試験
上記(1)~(36)について、治験等を継続することの妥当性を審議した。
この結果、(1)~(36)の審査判定:承認する
12)迅速 -変更(医薬品等製造販売後調査)について (省略)
13)その他
(1)京都大学医学部附属病院における治験標準業務手順書(京大病院SOP)について
4月1日付で改訂した第8版について、製本された冊子を席上に配布した旨の説明があった。
(2)自ら治験を実施する者による治験の標準業務手順書(医師主導治験SOP)の改訂について
治験事務局より、配付されたSOP(案)、変更対比表(案)に基づき説明があった。
4月1日付の京大病院SOPの改訂に伴い、下位のSOPである医師主導治験SOPも同様に以下の変更を行ったとの説明があった。
① 治験分担医師の履歴書は必要に応じて提出することとした。
② 標準業務手順書等を治験管理センターのホームページで公表することとし、標準業務手順書や会議記録の概要等の公表の手順を記載した。
③ 当院で実施する治験は、当治験審査委員会で審議することとした。外部の治験審査委員会への審議依頼は、当委員会で協議の上、必要な場合に行うこととした。
④ 他施設より当委員会への審議依頼の扱いについては、当委員会で協議の上判断することとした。
⑤ 統一書式を導入した。
医師主導治験 SOP独自に改訂した点について説明があった。
① 医薬品のみならず、医療機器にも対応可能にした。
② 治験機器の管理の項を追加した。
今回報告した内容に沿って、平成21年5月1日改訂版(第3版)を作成することが了承された。
(3)治験審査委員会の会議記録の概要の公表について
治験事務局より、「会議記録の概要」作成のフロー(案)に基づき、次のように説明があった。治験審査委員会開催後、議事録と会議記録の概要を作成する。次回審査委員会で議事録と会議記録の概要の内容確認を行う。その後、会議記録の概要について各治験毎に治験依頼者に内容確認を依頼する。必要に応じて、マスキングなどの措置を行った後、IRB開催から2ヵ月を目途に治験管理センターのホームページで公表する。
今回報告した手順で治験審査委員会の「会議記録の概要」の公表を行うことが了承された。
(4)2009年度第2回医薬品等臨床研究審査委員会について
次回の審査委員会は2009年5月19日(火)午後6時から開催することとした。